世界の中心で、愛をさけぶ ~(1)原作について~
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著者: 片山 恭一
タイトル: 世界の中心で、愛をさけぶ
私はドラマ、映画(DVD)、原作の順番で作品を見ました。
本作品を読んだ時にはドラマや映画の世界観が出来上がっていたため、
かなりの違和感を覚えてしまいました。本作が伝えたいことはなんだったんだろうと・・・
作中の朔太郎の死生観は"いつかやってくるけど遠いもの"です。
それは亜紀との付き合いの中で大きく変化していません。
"出来事からしばらく経っている朔太郎の回想"と捉えることによって、
死を客観的に捉えている描写にかろうじて納得した自分がいました。
大切な人を失うかもしれないという気持ちは作中には十分表現されていません。
イントロで「喪失感」を強調していながらその後「喪失感」がどこに行ってしまったのかも
読み取れませんでした(帯に書かれていることというのは、いつも的を外していて腹立たしい)。
そういった意味では、映像作品と本作については名前は一緒でも、
中心に添えているものが違うように思います。
原作を先に読まれた方の感想をいろいろ聞いてみたいところです。